マルセル北村です。
ゲーミングPCが欲しいんだけど……どのグラボがおすすめなんだろう?
最近新しいグラボが色々出ててわからないよ。
そんな悩みを持っている方、多いんじゃないでしょうか。
グラボはゲーミングPCにおいて最も重要なパーツです。それ故に、選ぶのが難しいパーツでもあります。
そこで今回は、最新のグラボに加えて特記すべき旧世代のグラボを、
- コスパ良くおすすめ
- 価格次第でアリ
- 買うな
の3つにカテゴライズして、それぞれのグラボに簡単な解説を行っています。
この記事を読むことで、ゲーマーにおすすめのグラボと、おすすめできないグラボがわかります。
ちなみに結論から言うと、私がおすすめするグラボは「RTX4090」、「RTX4070ti、RTX4070Super」、「RTX4060、RTX3060」です。理由は後ほど。
さらに、紹介したグラボを搭載したおすすめゲーミングPCも紹介しているので、是非参考にしてください。
なお、CPUについては別記事でまとめています。
最新おすすめグラボのまとめとカテゴライズ
今回、私が行なったカテゴライズは以下の通りです。
コスパ良くおすすめのグラボ
現状、「私が最もおすすめするグラボ」は以下の通りです。
価格次第でアリなグラボ
私が、「強くおすすめはしないが価格によってはアリ」と判断しているグラボは以下の通りです。
買うな
私が、「買う意味がない」と思っているグラボは以下の通りです。
「コスパ良くおすすめ」カテゴリのグラボについて
コスパ良くおすすめカテゴリのグラボは、どれもコスパに優れている上に明確な役割があり、強くゲーマーにおすすめできると考えているグラボです。
おすすめカテゴリのグラボについては、ゲーミングPCの選び方の記事でも詳しく解説しています。
RTX4090
RTX4090は「ADA LoveLace」世代のハイエンドGPUです。
性能はRTX4080と比べても圧倒的で、他に替えの効かない唯一無二の高性能を誇っています。
にも関わらずRTX4080との価格差はそれほど大きくありません。つまり、RTX4090はコスパのいいハイエンドグラボといえます。
ハイエンドでコスパがいいというのは異例で、例えば「RTX3090」は「RTX3080」とVRAM容量以外ほとんど性能差がなかったにも関わらず価格差は倍程度ありました。
RTX4090は良心的なハイエンドグラボといえます(もちろん絶対的な価格は高いですが)。
RTX4090を買うことで、間違いなく快適なゲーミングライフが約束されます。
RTX4090搭載のおすすめゲーミングPC
RTX4090搭載ゲーミングPCの予算は約50万円前後です。
RTX4090搭載のおすすめゲーミングPCについては、RTX4090について解説した別記事も合わせてご覧ください。
ここでは、代表的なおすすめゲーミングPC一つのみを紹介します。
iiyama PC LEVEL-R7B6-LCR78D-XLX [RGB Build]
CPU | Ryzen 7 7800X3D |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 4090 / 24GB (GDDR6X) |
メモリ | 32GB (DDR5-4800、16GB×2) |
ストレージ | 1TB SSD (M.2規格 / NVMe接続) |
電源 | 1000W PLATINUM認証 |
国内外から評価される「iiyama」ブランドを持つパソコン工房は、他社と比べて価格が安く、極めてコスパのいいゲーミングPCを提供しています。
ゲーミング最強CPUの一角「Ryzen 7 7800X3D」を搭載し、同時にゲーミング最強GPU「RTX4090」を搭載する、まさに「ゲーミング最強」のゲーミングPCです。
メモリは32GB、ストレージはNVMeのSSD1TBが標準搭載です。
さらに240mmの簡易水冷CPUクーラーが標準です。実は、Ryzen7800X3Dは発熱量が少ないので240mmでも十分です。
RTX4070ti、RTX4070 Super
RTX4070tiは「ADA LoveLace」世代のミドル帯のGPUです。
元々は「RTX4080」として販売を予定されていたという事情もあり、高い基本スペックを持ちます。
ミドル帯といいつつ、VRAM容量以外は前世代のハイエンドGPUである「RTX3090ti」並の性能を持っています。にも関わらず消費電力は低く、価格も半分以下(初値比較)となっています。
WQHD解像度までならRTX4070tiで対応できないゲームはないと言っていいレベルなので、ほぼ全てのゲーマーにおすすめできます。
お金に余裕があるゲーマーにはRTX4070tiを強くおすすめします。
そして、そのRTX4070tiとあまり変わらない性能を持つのが「RTX4070 Super」です。
「RTX4070 Super」は完全に「RTX4070以上、RTX4070ti未満」の性能を持っており、少なくともWQHD以下の解像度でゲームをプレイするのに性能が不足することはないでしょう。
価格についてもまあ……「RTX4070以上、RTX4070ti未満」といったところでしょうか。
これから買う人はRTX4070 Superを買えば良いのではないかと思います。RTX4070tiは徐々に市場から消えていくと思うので。
もちろん、価格が同じであればRTX4070tiのほうがおすすめですが。
RTX4070ti搭載のおすすめゲーミングPC
RTX4070ti搭載ゲーミングPCの予算は約35万円前後です。
RTX4070ti搭載のおすすめゲーミングPCについては、RTX4070tiについて解説した別記事も併せてご覧ください。
ここでは、代表的なおすすめゲーミングPC一つのみを紹介します。
iiyama LEVEL-R779-LC147KF-UL4X [Windows 11 Home]
CPU | Core i7-14700KF |
GPU | GeForce RTX 4070 Ti 12GB GDDR6X |
メモリ | 32GB (DDR5-4800、16GB×2) |
ストレージ | 1TB SSD (M.2/NVMe接続) |
電源 | 800W GOLD認証 |
国内外から評価される「iiyama」ブランドを持つパソコン工房は、他社と比べて価格が安く、極めてコスパのいいゲーミングPCを提供しています。
このモデルはメモリ32GBの上、360mmの簡易水冷CPUクーラーを標準搭載しているため、発熱量の高い14700KFでも安心して運用できるでしょう。
RTX4070 Super搭載のおすすめゲーミングPC
RTX4070 Super搭載ゲーミングPCの予算は約30万円前後です。
ここでは、代表的なおすすめゲーミングPC一つのみを紹介します。
CPU | Intel Core i7-14700F |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER |
メモリ | 32GB (DDR5-4800 16GB×2 / デュアルチャネル) |
ストレージ | 1TB SSD (NVMe接続) |
電源 | 750W BRONZE認証 |
国内生産が大きなウリのマウスコンピュータのゲーミングPCです。大手メーカーのため支払い方法が豊富、かつユーザーサポートに期待できるのがポイントです。
CPUクーラーは標準で240mmの簡易水冷、メモリは32GB。ケースも個性的でかっこいいです。
さらに、なんと3年間の無償保証と電話サポートがついています。他メーカーだと1年間が通常であり、ゲーミングPCとしては異例です。
総じてバランスがとれた、価格も手頃なゲーミングPCです。
同じ構成でホワイトになったモデルもあります。
さらに、同じ構成でCPUがゲーミング最強の「7800X3D」になったモデルもあります。
RTX4060(RTX3060)
RTX4060は「ADA LoveLace」世代のロースペック帯のGPUです。そして、RTX3060は「Ampere」世代のロースペック帯のGPUです。
ロースペックとはいいますが、フルHD解像度でのゲーミングには十分な性能を有しており、現代ゲーミングPCの搭載グラボとして最低ラインとなるのがRTX4060、あるいはRTX3060と言えるでしょう。
あれ?最新のRTX4060の方が性能がいいんじゃないの?どうして2つが同列に並んでいるの?
実はRTX4060は、前世代のRTX3060と大差ない性能……どころか、負けている部分すらあるグラボです。
そのため従前は、当サイトではRTX4060を全くおすすめしていませんでした。
RTX4060 | RTX3060 | |
消費電力 | 低い | 高い |
価格 | 高い | 安い |
VRAM | 少ない | 多い |
DLSS | 3.0対応 | 2.0対応 |
RTX4060はRTX3060と比較した時の低消費電力がアピールされがちですが、そもそも価格差があるので、電気代を取り返せるにはどれくらいの時間がかかるかを考えることも重要です。
しかし、RTX3060は発売からかなり時間が経っており、BTOパソコンショップの中には取り扱いがないところすらあります。
そうなると低価格帯のゲーミングPCの選択肢が潰れてしまうため、RTX4060をおすすめグラボの一角に引き上げました。
性能は大差なく、一長一短な部分があるということは、価格差を気にしなければRTX4060でも問題ないとも言えます。
なお、グラボ単体ならまだまだRTX3060が売られているので、BTOではなくパーツの単品買いを狙っている方ならRTX3060も十分に選択肢に入ります。
RTX3060は、低価格ながらフルHDのゲーミングには十分な性能を持つ上、この価格帯では破格の「12GBのVRAM」を搭載しているグラボです。
フルHDでe-Sports系FPS(ApexやValorantなど)のみプレイする方や、それ以外のゲームで「60フレームレート出れば良い」という方におすすめです。
RTX4060やRTX3060は低予算ゲーミングPCの強い味方となるグラボです。高望みしなければゲーミングには全く問題ありません。
RTX4060搭載のおすすめゲーミングPC
RTX4060搭載ゲーミングPCの予算は約15万円前後です。
RTX4060搭載のおすすめゲーミングPCについては、RTX4060について解説した別記事も合わせてご覧ください。
ここでは、代表的なおすすめゲーミングPC一つのみを紹介します。
CPU | AMD Ryzen 7 5700X |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 4060 |
メモリ | 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル) |
ストレージ | 1TB SSD (NVMe接続) |
電源 | 750W BRONZE認証 |
国内生産が大きなウリのマウスコンピュータのゲーミングPCです。大手メーカーのため支払い方法が豊富、かつユーザーサポートに期待できるのがポイントです。
オンライン限定の高コスパブランド「NEXTGEAR」のゲーミングPCです。
低価格ながらCPUクーラーは標準で240mmの簡易水冷、ストレージは1TBのSSDを搭載しています。
低価格なNEXTGEARですが、他のマウスコンピューターPCと同じく3年間の無償保証と電話サポートがついています。他メーカーだと1年間が通常であり、ゲーミングPCとしては異例です。
RTX3060搭載のおすすめゲーミングPC
RTX3060搭載ゲーミングPCの予算は約15万円前後です。
RTX3060搭載のおすすめゲーミングPCについては、RTX3060について解説した別記事も合わせてご覧ください。
ここでは、代表的なおすすめゲーミングPC一つのみを紹介します。
CPU | intel Core i5 13400F |
GPU | GeForce RTX 3060 |
メモリ | 16GB (8GB×2) |
ストレージ | 1TB SSD (M.2規格 / NVMe接続) |
電源 | 750W GOLD認証 |
PCパーツショップ老舗であるツクモのゲーミングPCです。
RTX3060かつ13400F、SSDが1TBでこの価格なのでめちゃくちゃ安いです。価格を重視しているであろうRTX3060ユーザーには最適です。
正直、RTX3060搭載機が欲しいなら、コスパ的にはこのゲーミングPCを買っておけば良いと思います。
即納モデルなのでカスタマイズはできませんが、カスタマイズなしでも完成されたスペックを持っています。
「価格次第でアリ」カテゴリのグラボについて
このカテゴリは、「積極的におすすめはしないが、値段によっては購入しても良いと思う」グラボです。
基本的におすすめカテゴリのグラボを購入することをおすすめしますが、個人の好みやこだわりによって別なグラボが欲しいということもあると思います。
そんなとき、このカテゴリのグラボであれば購入しても問題はありません。
RTX3060ti
RTX3060tiは「Ampere」世代のミドル帯GPUです。RTX3060の強化版というよりは、RTX3070の劣化版という立ち位置です。
そのためVRAM容量こそRTX3060以下の「8GB」ですが、基本的な性能はRTX3070に近く高いです。
が、役割がRTX3060と被るうえ性能も一長一短な部分があるため、私は基本的には価格の安いRTX3060を買えばいいとおもっています。
しかし、最近はRTX3060ti搭載ゲーミングPCの値崩れが著しく、場合によってはRTX3060と価格が逆転していることすらあります。そうなると話は別です。
12GBのVRAM容量が必要なく、フルHDでの高フレームレートを求める場合で価格差がなければ、RTX3060tiはおすすめできるグラボです。
「価格次第でアリ」カテゴリのグラボ群の中では頭一つ抜けていると思います。
RTX3060ti搭載のおすすめゲーミングPC
RTX3060ti搭載ゲーミングPCの予算は約15万円前後です。
RTX3060ti搭載のおすすめゲーミングPCについては、RTX3060tiについて解説した別記事も合わせてご覧ください。
ここでは、代表的なおすすめゲーミングPC一つのみを紹介します。
CPU | Intel Core i5-13400F |
GPU | GeForce RTX 3060ti |
メモリ | 16GB (8GB×2) |
ストレージ | 1TB SSD (M.2規格 / NVMe接続) |
電源 | 750W GOLD認証 |
PCパーツショップ老舗であるツクモのゲーミングPCです。
即納モデルでカスタマイズはできませんが、デフォルトの構成ですでに完成されているのでカスタマイズの必要はありません。
RTX3060ti搭載ゲーミングPCの中では圧倒的に安いので、見た目などにこだわりがなければこれを買えばいいと思います。CPUも13400Fなので十分です。
RTX4070
RTX4070は「ADA LoveLace」世代のミドル帯のGPUです。
基本的には中途半端なグラボです。性能は「RTX3080」に近く、元々「RTX4080」として販売される予定だった「RTX4070ti」とは割と大きな差があります。
さらに、RTX4070tiに近い性能を持つ「RTX4070 Super」が発売されたこともあり、存在意義が微妙な存在になりつつあります。
ただ、(少なくとも現時点では)RTX4070 SuperがRTX4070ti並の価格なので、コスト面でRTX4070 Superを買えない場合の選択肢には入ります。RTX4070は別に悪いGPUではないです。
基本的にはRTX4070 Superを買ったほうがいいと思いますが、「ナシ」ではありません。
RTX4070搭載のおすすめゲーミングPC
RTX4070搭載ゲーミングPCの予算は約25万円前後です。
なお、RTX4070搭載ゲーミングPCに関しては「マウスコンピューター」のゲーミングPCが非常にコスパに優れており、おすすめです。
CPU | Intel Core i7-13700F |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 4070 |
メモリ | 32GB |
ストレージ | 1TB SSD (NVMe接続) |
電源 | 750W BRONZE認証 |
国内生産がウリのマウスコンピュータのゲーミングPCです。大手メーカーのため支払い方法が豊富、かつユーザーサポートに期待できるのがポイントです。
簡易水冷CPUクーラー標準搭載、メモリ32GB標準搭載、SSD1TB標準搭載と3拍子揃っています。
さらに、なんと3年間の無償保証と電話サポートがついています。他メーカーだと1年間が通常であり、ゲーミングPCとしては異例です。
最も初心者向けと言えるかもしれません。価格も妥当だと思います。
同じ構成で、白い側面透過PCケースになったおしゃれなモデルもあります。
また、ほぼ同じ構成(SSDが500GBに変更)で、ロジクール製の白いゲーミングデバイスと、iiyamaの白いゲーミングモニターがセットになった「オーロラコレクション」もあります。
RTX4070ti Super
RTX4070ti Superは「ADA LoveLace」世代のアッパーミドル帯のGPUです。
RTX4080を少しスペックダウンしたという立ち位置のグラボで、RTX4080と同様の「VRAM16GB」を搭載していることが目玉です。
ですが、「RTX4070ti Super」が目標とするであろうWQHD解像度でのゲーミングにおいて、16GBのVRAMが必要になるゲームを私はほとんど知りません。
ほとんどの場合、12GBで事足ります。
例外的に、Skyrimなど青天井の要求スペックを持つゲームの場合12GBでは足りなくなることはありますが、自分のさじ加減しだいですし、そういうゲームを本気でプレイしたい場合はむしろRTX4090を購入したほうが後悔しないと思います。
4K高フレームレートでゲームをしたいならRTX4090を買うのがおすすめですし、WQHDならRTX4070tiやRTX4070 Superで事足りるので、あんまり選択する理由はないかなと思います。
RTX4080
RTX4080は「ADA LoveLace」世代のアッパーミドル帯のGPUです。
VRAM16GBの搭載が特徴の1つで、NVIDIAのグラボの中では多い方です。
しかし、RTX4080は中途半端な性能のグラボです。4K高フレームレートでゲーミングをしたいなら物足りず、WQHD高フレームレートでゲームをしたいならRTX4070tiで足ります。
さらにRTX4070ti Superも発売され、立ち位置が難しいグラボになりました。
あんまり選択する理由はないグラボかなと思います。
「買うな」カテゴリのグラボについて
「買うな」カテゴリのグラボについては、前世代からほとんど進歩が見られなかったり、むしろ負けている部分があるので全くおすすめしないというグラボ群です。
RTX4060ti
RTX4060tiは「ADA LoveLace」世代のミドル帯のGPUです。
基本的な性能はRTX3060tiより微増しているのですが、本当に微増なので価格差を正当化できるとは思えません。ゲームによってはRTX3060tiに負ける例も報告されています。
RTX3060tiと同じレベルまで価格が下がった前提で、フルHD専用と割り切れるならアリかもしれませんが……
ならRTX3060ti買えばいいんじゃない?
と天草四郎が私に囁きます。そのころにはRTX3060tiはもっと下がってそうですし。
それだけRTX3060tiが優秀とも言えます。
終わりに
NVIDIAがよくわからないグラボをたくさん発売したせいで、旧世代のグラボまでおすすめする必要がでてきてしまいました。
さらに、これまでの命名規則から外れる「SUPER」シリーズ(RTX4070ti SUPER)も発売され、NVIDIAのグラボラインナップは混迷を極めています。
今後も当サイトでは、可能な限りゲーマーの方にわかりやすいようにゲーミングPCに関する情報発信を続けていく予定ですので、引き続きよろしくお願いします。