マルセル北村です。
今回はRTX4090を分解して水冷化したので、その記録を記事にしました。別に本格水冷マニュアルではないので、その点ご了承ください。
当然その後本格水冷PCを自作したわけですが、今回はグラボの水冷化までの記事です。
私は本格水冷を他人には決して勧めませんが、興味がある方は「ああ、こんな感じなんだ」と思って貰えればと思います。
私は2度目の本格水冷PC自作ですが、実は1回目の時点で「二度とやらねえ」と思っていました。
そのことをすっかり忘れて今回組んだのですが、やはり「二度とやらねえ」と思うくらい面倒でした。
記事の最後には、手軽に水冷できるRTX4090の簡易水冷モデルを紹介するので、記事を読んで「別に本格水冷じゃなくていいや……」と思った方はそちらもご検討ください。
本格水冷とは?
本格水冷は、配管からポンプ、ラジエーターなど全てを自分で用意して接続する水冷です。「DIY水冷」とか「カスタム水冷」と呼ぶ人もいます。
パソコンの中をパイプのような管が複数通っていて、その管の中に色のついた液体が流れている……そんな水冷PCの画像をみたことはありませんか?それが本格水冷PCです。
PCの水冷には簡易水冷と本格水冷の2種類の方式があります。
どちらもクーラント(冷却液)を使うことで熱源を冷却する仕組みになっているのは同じですが、PCの構築難易度と値段が大きく変わります。
簡易水冷は「AIO」(All in One)と言われることもあり、水冷に必要な要素が全て一体化して販売されているため、手軽に強力な冷却能力を手に入れることができます。
一方、本格水冷は水冷に必要な全てのパーツを自分で用意して、自分で配管して接続する必要があります。
はっきり言って、死ぬほど面倒です。おすすめはしません。
もし、私が友人から「本格水冷やろうと思ってるんだけど」と言われたら、私はまず「よく考えてみて!」と言って考えうる限りのデメリットを伝えるでしょう。
本格水冷は非常に手間がかかる上にコスパが劣悪です。
冷却能力は簡易水冷で十分な上、本格水冷関連のパーツはビックリするくらい高いです。
しかも常に漏水のリスクがつきまといますし、定期的なメンテナンスも必要です。
じゃあなんで本格水冷PCなんて組んだの……?
本格水冷PCを組む理由は見た目とロマン以外ありません。
ゲーマーが性能を求めて本格水冷PCを組む必要は全くありません。
個人の好みはあると思いますが、まあ一般的に本格水冷PCはかっこいいと思う人のほうが多いんじゃないかなと思います。
本格水冷はデメリットだらけですが、私を含めて挑戦する人は存在します。
憧れは止められません。
RTX4090の水冷化
さて、グラボを本格水冷するには、最初から本格水冷モデルとして販売されているグラボを買うか、空冷モデルを分解して本格水冷用の水枕(Water Block)を取り付ける必要があります。
基本的に、分解した時点でグラボのメーカー保証が切れてしまうことに注意が必要です。
グラボメーカーが「本格水冷モデル」として販売している、最初から水枕の付いたグラボを買うのが事故がなく保証も切れず簡単なのですが、残念ながらほとんど売ってません。
海外で売っていても、日本では売ってなかったりします。
私が本格水冷モデルとして販売されているRTX4090を確認したのは「INNO3D」の「RTX4090 Frostbite」のみでしたが、日本では販売していません……でした。
しかし、記事に書こうと思って検索したらなんとエルザオンラインで販売が開始されていました!組もうとしてた時に売っていたら私もこちらを買ったのですが……
用意したもの
グラボの水冷化を行う際に用意したものは以下の通りです。
- グラボ
- 水枕(Water Block)
- 精密ドライバー
- グリス
- 勇気
グラボ
今回は本格水冷モデルを用意できなかったため、通常の空冷グラボを購入しました。
今回私は、「Gainward RTX4090 Phantom GS」を水冷化することにしました(一番安かったので)。
新品で買ったのですが、どうせ分解すれば保証が切れるので中古で買えばよかったと思っています。
水枕(Water Block)
空冷グラボを水冷化する場合、水枕が別途必要になります。
今回は、Alphacool(ドイツの会社)の水枕を個人輸入しました。
初めて購入した方は、その価格と重量にびっくりするかもしれません。非常に高価で、重いです。
グラボによって対応している水枕が変わるので、自分で調べて購入しなければなりません。
万が一間違った水枕を購入すると、3万円くらいする透明な文鎮を購入したことになってしまいます。
精密ドライバー
グラボを分解するには、バックプレートを取り外す必要があります。
その際、通常のドライバーでは大きさが合わないため、精密ドライバーセットを用意しておく必要があります。
私は激安品を買いました。グラボの分解に使うだけならこれで十分です。
グリス
グラボを分解すると、GPUが露出します。
GPUにはグリスが塗られているのですが、ファン側にもグリスが移ってしまって量が少なくなっているので塗り直したほうが良いです。
GPUに塗るグリスは、CPUグリスをそのまま転用することができます。
グリスに関しては、私はもう「シミオシ OC Master SMZ-01R (13.2W/m・K) 」しか買っていません。価格が安く性能も信頼できる上、非常に塗りやすいからです。
勇気
実は、私は昔グラボの水冷化に失敗してグラボをぶっ壊しています。
ちゃんと丁寧にやれば問題ないとはいえ、半端な覚悟で水冷化に挑戦しないほうが良いと思います。
私は簡単なプラモデルも組めないくらい不器用な人間です。
ただ、そんな私でも本格水冷PCを組むことはできます。
分解
まずは、バックプレートのネジを全て外します。なお、保証が切れるので分解前に動作確認を行うことは忘れずに。
次にファンを取り外します。すると、基板自体はさほど大きくないことがよくわかります。
実際にはファンのコネクターを外したりといった作業もありますが、慎重にやれば実はさほど難しい作業ではありません(私は一度失敗しましたが)。
外したネジをちゃんと保管しておくことが重要です。
完成
これでRTX4090の水冷化は終了です。壊していなければ、このまま使用することができます。
ちなみに、分解前より大幅に小さくなっていますが、重量はアップしています。
完成した本格水冷PCの記事はこちらです。
付録:RTX4090の簡易水冷モデルの紹介
RTX4090の本格水冷モデルは多くありませんが、簡易水冷モデルは各社からある程度の種類が販売されています。
代表的なものを以下に紹介します。