近年、CPUの高性能化に伴い、簡易水冷CPUクーラー(AIO水冷クーラー)が一般的なものになっています。
簡易水冷と空冷どちらにするか迷っている方は、以下の記事をご覧ください。
今回は自作ユーザー(とBTOカスタマイズ勢)に向けた簡易水冷CPUクーラーのおすすめと、ゲーマーに向けた簡易水冷CPUクーラー標準搭載のおすすめBTOゲーミングPCを紹介します。
簡易水冷のメリット
基本的に、私はCPUクーラーは簡易水冷一択だと思っています(私は本格水冷も組んで使ってますが、おすすめしません)。
その理由となる簡易水冷のメリットは以下のとおりです。
- 冷却能力が高い
- 他のパーツと干渉しない
- メンテナンスフリー
冷却能力が高い
簡易水冷は、空冷に比べて冷却効率・冷却能力ともに優れています。発熱量の多いゲーミングPCにおいて、冷却能力は重要です。
冷却能力が不足すると、サーマルスロットリングが働いてしあみます。
逆に、最近のCPUやグラボは冷却が許す限り自動でオーバークロックを行う機能もついており、冷却能力が高いほうが高いスペックを発揮できます。
ゲーミングPCの冷却能力は重要です。
他のパーツと干渉しない
空冷クーラーは、冷却効率を高めようとするとどうしてもヒートシンクを大きくせざるを得ず、CPUクーラーが巨大になります。
その結果、PCケース内の大きな部分を空冷CPUクーラーが占めることになり、場合によっては他のパーツと干渉したりします。
その上、冷却能力も簡易水冷より低いので、空冷はおすすめできません。
メンテナンスフリー
これは、本格水冷と比較した時の長所になります。
本格水冷は見た目はかっこいいのですが、びっくりするほど値段が高い上、定期的なメンテナンスが欠かせず非常に手間がかかります。
簡易水冷は、本格水冷からメンテナンスの手間を省き、価格も落とした上で、水冷の冷却能力を実現した理想的冷却方式です。
文字通り、本格水冷を使いやすく、簡易にしたものが簡易水冷ということです。
簡易水冷CPUクーラーを選ぶ際のポイント
簡易水冷CPUクーラーを選ぶ際の重要なポイントを紹介します。
簡易水冷CPUクーラー(のラジエーター)のサイズ
簡易水冷CPUクーラーには、120mm~420mmまでサイズが存在します。
これは重要な点ですが、少なくとも240mm以上、できれば360mmの簡易水冷CPUクーラーを購入することをおすすめします。
簡易水冷CPUクーラーのサイズ(ラジエーターのサイズ)は、冷却能力に直結します。早い話、でかいほうが冷えるので、可能な限りでかいものを購入することをおすすめします。
水枕のデザイン
水枕の部分が液晶になっており、温度や画像が表示できるモデルがあります。
普通のものも液晶のものも好みで選べば良いですが、そういったものが存在するということを知っておくのは重要です。
私が選ぶならヘッドが液晶になっているモデル一択です。かっこいいので!
簡易水冷CPUクーラーのおすすめ5選
簡易水冷CPUクーラーのおすすめ5選を紹介します。
NZXT KRAKEN Elite RGB
デザイン性の高い製品を多く販売している「NZXT」のCPUクーラーです。ファン全体が光ります。
ヘッドが液晶になっているモデルで、かっこいいです。
私はこれのホワイトモデルを購入しました。白いゲーミングPCに使うためです。
EK-Nucleus AIO
スロベニアが誇る本格水冷パーツメーカーの「EK Water Blocks(EKWB)」が繰り出す簡易水冷CPUクーラーです。
本格水冷パーツメーカーが販売するだけ合って信頼度は抜群で、さらに見た目もかっこいいので私も欲しいと思っています。
EKWBの製品は販路が限られているので、購入を検討する際は楽天の「EKWB公式ショップ」をまず確認してみるのがおすすめです。
DeepCool LT720
DeepCoolの販売している簡易水冷CPUクーラーで、水冷ヘッドが非常に個性的なインフィニティミラーになっています。
非常にかっこ良いと思います。しかも価格は安めです。
Thermaltake TH360
コスパの良いPCパーツを多く販売している「サーマルテイク」の簡易水冷CPUクーラーです。
360mmのサイズにもかかわらず、比較的安価な値段が特徴です。
水枕部分に液晶などはついていないので、実用性重視の方におすすめです。
ASUS ROG Ryuo III 360
PCパーツ界のAPPLEと私が呼んでいる「ASUS」の簡易水冷CPUクーラーです。
水枕部分に「AniMe Matrix」というASUS独自の技術を搭載した液晶がついているのが特徴で、サイバーパンクな雰囲気のドットを表示することができます。
簡易水冷CPUクーラーを標準搭載したゲーミングPC
簡易水冷CPUクーラーを標準搭載したゲーミングPCを紹介します。
なおゲーミングPCの選び方について、私はグラボを基準に選定しており、現状選ぶ価値のあるグラボはわずかしかないと考えていますので、今回紹介するのもそのわずかなグラボを搭載したゲーミングPCに限らせていただきます。
ゲーミングPCの購入を考えている方は、以下の記事も合わせてご覧ください。
マウスコンピューターのRTX4070ti搭載ゲーミングPC
CPU | Intel Core i7-14700KF |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 4070Ti |
メモリ | 32GB (DDR5-4800 16GB×2 / デュアルチャネル) |
ストレージ | 1TB SSD (NVMe接続) |
電源 | 750W BRONZE認証 |
国内生産が大きなウリのマウスコンピュータのゲーミングPCです。大手メーカーのため支払い方法が豊富、かつユーザーサポートに期待できるのがポイントです。
特筆すべきはスペックの高さです。CPUは文句なし、メモリも現行のDDR5、CPUクーラーは標準で360mmの簡易水冷になっています。
ケースも個性的でかっこいいです。
さらに、なんと3年間の無償保証と電話サポートがついています。他メーカーだと1年間が通常であり、ゲーミングPCとしては異例です。
余裕を持ったスペックのため、最も初心者向けと言えるかもしれません。
パソコン工房のRTX4070ti搭載ゲーミングPC
CPU | Core i7-13700F |
GPU | GeForce RTX 4070 Ti 12GB GDDR6X |
メモリ | 32GB (DDR5-4800、16GB×2) |
ストレージ | 2TB SSD (M.2/NVMe接続) |
電源 | 700W BRONZE認証 |
国内外から評価される「iiyama」ブランドを持つパソコン工房は、他社と比べて価格が安く、極めてコスパのいいゲーミングPCを提供しています。
CPUが13700Fですが、インテルの13世代と14世代はゲーミング性能は大差ないので問題ありません。
このモデルは2TBのSSDを搭載、メモリ32GBでこの価格です。いいゲーミングPCと言えるでしょう。
サイコムのデュアル水冷ゲーミングPC
サイコムは「世界で唯一、水冷クーラーの組み付けから検証まで社内で行なっている」ことを謳っており、自社で独自にグラボを簡易水冷化しています。
それが使われているのが今回紹介するデュアル水冷(CPUとGPUの簡易水冷)モデルであり、冷却能力では他の追随を許しません。
7950X3DとRTX4090をカスタマイズで選択可能です。高い冷却能力と相まってまさに最強のゲーミングPCと呼べるものになるのではないでしょうか。
……サイコムのPCはカスタマイズできる項目が非常に多く、カスタマイズを前提にしているところがあります。
標準仕様はそんなに性能が高くないものが選択されているので、ある程度パーツの良し悪しが自分で判断できる中級者向け以上のメーカーとなります。
また、独自の特色を持つ分価格は圧倒的に高いので、そこは覚悟する必要があります。
終わりに
今回は、簡易水冷CPUクーラーについて紹介しました。
おそらく、今後もCPUの高性能化と発熱の増加は続いていくので、簡易水冷CPUクーラーはますます一般的なものになっていくでしょう。
この記事が、みなさまの快適なゲーミングライフの一助になれば幸いです。