こんにちは、マルセル北村です。
ゲーミングPCを購入しようとしている方の中には、デスクトップPCではなく、ゲーミングノートPCを検討している方もいるでしょう。
しかし、
ゲーミングノートPCって「やめとけ」って言われてるのをよく見るけど、実際どうなの?
と思っている方も多いのではないでしょうか。
実のところゲーミングノートPCにはおすすめできない理由がたくさんあり、私は基本的にゲーミングノートPCをおすすめしていません。
しかし、逆にゲーミングノートPCを買ったほうがいい方もいます。
そこで今回は、まずゲーミングノートPCをおすすめしない理由と、メリット・デメリットについてお伝えします。
最後に、どういう方であればゲーミングノートPCをおすすめできるのか、ゲーミングノートPCを買うことに決めた場合のおすすめゲーミングノートPCもお伝えしたいと思います。
この記事を読むことで、ゲーミングノートPCのメリット・デメリットがわかり、自分がゲーミングノートPCを買うべき人間かどうか判断できます。
長年複数台のゲーミングデスクトップPCを使用し、ASUSのゲーミングノートPCも使用している私の意見です。
ちなみに私が持っているゲーミングノートは「ROG Flow X13」です。
ゲーミングノートPCをおすすめしない理由
まず、ゲーミングノートPCをおすすめしない理由は次のとおりです。
- 性能の割に高額でコスパが悪い
- 故障した場合買い替えが必要
- ファンがうるさい
- 見かけのスペックと実際のスペックが違う
- バッテリー持ちが極めて悪いし、バッテリー駆動だと性能に制限がかかるものもある
性能の割に高額でコスパが悪い
一般的に、ノートPCは同等スペックのデスクトップPCよりもかなり高額です。
ゲーミングノートは通常のノートPCと比べても決して需要が高いものではありませんから、余計にその傾向が強いです。
独自の機能や機構がついていればなおさらです。
メーカーによっては、同等スペックのデスクトップゲーミングPCと比べて倍くらい価格差があることもあります。
そのため、ゲーミングノートPCのコスパは劣悪と言えます。
故障した場合買い替えが必要
ゲーミングデスクトップPCであれば自分でメンテナンスを行うこともできますし、故障箇所が特定できれば自分でそのパーツのみ交換できます。
しかし、ゲーミングノートPCはカスタマイズを前提として設計されていません。
そのため、故障したパーツだけ自分で交換するということはできず、メーカーに依頼することになります。
有償修理になれば、相当の金額を要求されてしまいます。
このデメリットはゲーミングノートに限ったことではなく、すべてのノートパソコンに共通していますが、「ゲーミングノートの方が発熱量が多いため故障率が高い」と言われることがあります。
実際に有意な差があるのかは不明です。
ファンがうるさい
ゲーミングノートPCは、その小さな筐体に非常に高温な熱源を持っているため、冷却ファンが常にフル回転する傾向にあります。
しかもゲーミングノートPCは手元、つまり物理的に自分の近くに置くため、同じ音量だとしてもデスクトップPCより大きな音に聞こえます。
私は基本的にファンの音など気にならないタイプなのですが、そんな私でもびっくりするような音が響きます。
他もそうなのかはわかりませんが、私が使っているゲーミングノートPCはゲームをせずネットサーフィンをしているだけでも轟音が響くので厄介です。
見かけのスペックと実際のスペックが違う
これは知らない方もいるのではないでしょうか。
例えば、搭載GPUに「RTX4090」と記載されていたとしても、「ノートPC版のRTX4090」と、「デスクトップ版のRTX4090」とでは性能が異なります。
そんなの知ってるよ!
そんな声が聞こえてきそうです。では、「同じRTX4090を搭載しているゲーミングノートPC間」でも性能が違うことがあるのはご存知でしょうか。同じメーカーの製品であってもです。
ゲーミングノートPCメーカーは、ゲーミングノートPCとして製品を成立させるために、各製品ごとに独自にグラボのTGP(Total Graphics Power、グラボの消費電力)に制限をかけています。
グラボはTGPが高いほど高いスペックを発揮できますが、その分放出する熱も多くなるため、強力な冷却システムを用意するのが難しいゲーミングノートPCではTGPを制限することで熱の放出を抑えています。
当然、TGPを制限することでグラボの性能は落ちています。
ゲーミングノートPCの商品ページにTGPなんて項目あったかな……?
実は、ゲーミングノートPCのメーカーによってGPUのTGPを公開しているメーカーとそうでないメーカーがあります(公開しているメーカーの方が少数のはず……)。
なので、欲しいゲーミングノートPCのTGPを知りたいと思っても調べようがないことが多いのです。
実際、TGPを制限することでどの程度パフォーマンスに差が出るのか私はわかりません。
気にしない方は問題ないですが、こういう事実を知ってしまうと少し気になってしまいませんか?
なお、海外のサイトですが、「Notebookcheck」というサイトでゲーミングノートPCの機種ごとにTGPが掲載されています。有志が調査しているものなので、すべての機種が掲載されているわけではありません。
こちらはRTX3050のリストですが、その他のGPUについてもリンクが貼られています。
そのものずばりは掲載されていないようですが、私の持つ「RTX3050tiを搭載したROG Flow X13」のマックスTGPは「35~40w」程度のようでした。
同じASUSでRTX3050ti搭載の「ROG Strix G17」は「95w」なので、同じGPUなのに半分の電力で駆動させていることがわかります。
バッテリー持ちが極めて悪いし、バッテリー駆動だと性能に制限がかかるものもある
ゲーミングノートPCと聞くと、どこでもゲームをプレイできるガジェットのような印象を持つのではないでしょうか?
しかし、実際はそうではありません。
ゲーミングノートPCは、非常にバッテリー持ちが悪いです。
だいたいカタログスペックの駆動時間は当てにならず、ゲームをしているととんでもない速さでバッテリーが減っていきます。
バッテリーでの駆動時間は1~2時間といったところでしょうか。
さらにノートPCによっては、給電していないと「省エネモード」消費電力を下げるモードになってしまうものがあります。
消費電力を下げれば当然性能も落ちるため、カタログスペックは全く発揮できません。
私のROG Flow X13がそうで、しかも純正のアダプタでなければ同出力のアダプタを使っても省エネモードになります。
純正のアダプタが大きすぎて使いづらいので100wのPDアダプタを購入したのですが、無意味でした……
ゲーミングノートPCのメリット
逆に、ゲーミングノートPCのメリットは次のとおりです。
- スペースを取らない
- 携帯性がある
- デザイン性に長けたものが多い(ロマン)
スペースを取らない
最近は小型のゲーミングデスクトップPCも登場していますが、デスクトップにはモニターが必要なことを考えると、結局ゲーミングノートのサイズには勝てません。
何しろ閉じてしまえば一枚の薄い板です。
パソコンの設置スペースに限りがある場合は、ゲーミングノートPCを検討する余地があります。
携帯性がある
当然、ノートPCなので持ち運ぶことができます。
例えば自室でもゲームをしたいし、気分転換にリビングでもゲームをしたいという人にはおすすめです。あとは、出張が多い方とかですかね。
ただし、電源の確保できないところでゲームを長時間プレイするのは不可能です。そこは注意してください。
デザイン性に長けたものが多い(ロマン)
カスタマイズが前提のデスクトップPCと異なり、ノートPCは拡張性が低いです。
その代わり、各メーカーとも意匠を凝らしたりして独創的なデザインのノートPCを販売しています。
好みは分かれると思いますが、私はASUSの「いかにもゲーミング」なデザインや、ディスプレイが360度回転するなどの「変態機構」が大好きです。
ゲーミングノートPCをおすすめする人・おすすめしない人
以上のようなメリット・デメリットを踏まえて、ゲーミングノートPCをおすすめできる人とおすすめできない人をまとめました。
ゲーミングノートPCがおすすめな人
ゲーミングノートPCがおすすめできるのは以下の要素に該当する人です。
- デスクに余裕がない人
- 家の中いろいろな場所でゲームをプレイしたい人
- 電源の確保できる出先でもゲームをプレイしたい人
- かっこいいガジェットがほしい人
- もろもろのデメリットを理解した上でもゲーミングノートPCがほしいと思う人
ゲーミングノートPCをおすすめしない人
ゲーミングノートPCをおすすめできないのは、以下の要素に該当する人です。
- 上記おすすめな人に該当しない人
ほとんどの方は、デスクトップゲーミングPCを購入するほうがおすすめです。
おすすめゲーミングノートPCの紹介~それでもゲーミングノートPCが欲しいという方へ向けて
ここまで読んでいただいた上で、それでもゲーミングノートPCが欲しいという方も当然いると思います。
そこで、私からゲーミングノートPCを買う場合のおすすめの選び方と商品例を紹介したいと思います。
私は、どうせゲーミングノートPCを買うのであれば圧倒的に安価なモデルを買うか、逆に高価であってもゲーミングノートPCにしかできないデザインや機能を持つモデルを購入することをおすすめします。
圧倒的に安価なモデル
もともとコスパの悪いゲーミングノートPC。なら可能な限りコスパを上げようという思想の選択がこちらです。
圧倒的に安価と言っても、ゲーミングノートPCの中ではという意味ですが……
とはいえ、安いからといって肝心のゲームができなければ意味がありません。今更GTX1650搭載ゲーミングノートなどを買うのは避けたいところです。
Victus 16 RTX 4050(HP/ヒューレット・パッカード)
ディスプレイ | 16.1インチワイド・フルHD非光沢・IPSディスプレイ(1920×1080、144Hz、250nit) |
CPU | AMD Ryzen 5 7640HS |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 4050 Laptop |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB |
質量 | 約2.3Kg |
「Victus 16」は、コスパの良いゲーミングPCを多数販売しているアメリカ企業「HP(ヒューレットパッカード)」が販売しているゲーミングノートPCです。
細かいことはいいんです。とにかく値段。RTX4050搭載のゲーミングノートPCで約12万円です。
しかもCPUもRyzen7640HSです。ヤバいです。
調べて貰えば一発ですが、RTX4050、Ryzen7640HS搭載でこんなに安いゲーミングノートPCは見たことありません。
しかも、わけのわからないショップの価格ではなく公式価格です。
ゲーミングノートPCにコスパを求めるなら間違いなく「Victus 16」がおすすめです。
私がゲーミングノートを初めて買う友人に勧めるならVictus 16です。
こいつに関しては、AmazonなどよりHP公式が圧倒的に安いのでそちらを紹介します。
しばらくセールをやっているようですが、いつ完全に終わるかわからないので気になっている方はお早めにどうぞ。
マウスコンピューター NEXTGEAR J6-A5G60GN-A
ディスプレイ | 16型 液晶パネル (ノングレア / 165Hz対応) |
CPU | Ryzen 7 7840HS |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 4060 Laptop |
メモリ | 32GB |
ストレージ | 1TB (NVMe Gen4×4) |
質量 | 約2.29kg |
マウスコンピューターの高コスパブランド「NEXTGEAR」のゲーミングノートPCです。
一見高価に見えますが、CPUが7840HS、メモリ32GB搭載、ストレージは1TBを搭載しているので同条件でみれば低価格です。
価格が安いのに、他のマウスコンピューターのゲーミングPCと同様に無償の3年間の修理保証と電話サポートが標準で付属していることが大きなポイントです。
また、非常におしゃれな外観なことも魅力です。
デスクトップ版なら買いたくないRTX4060ですが、ノートPCならアリな選択肢です。
低価格なRTX4060搭載ノートPCが欲しいなら、これが良いかなと思います。
Lenovo Legion Pro 5 Gen 8
ディスプレイ | 16インチWQXGA非光沢・IPSディスプレイ(240Hz、2560 x 1600) |
CPU | Ryzen 7 7745HX |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 4070 Laptop |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 1TB SSD |
バッテリー | 約6時間 |
RTX4070搭載ゲーミングノートPCです。
AMDのノート向けハイスペックCPU「7745HX」を搭載しながらもデスクトップとほとんど変わらない価格となっており、RTX4070搭載ゲーミングPCとしてはコスパに優れていると言えるでしょう。
安いのは間違いないので、レノボに抵抗がなければ検討する価値はあるでしょう。
高価であってもゲーミングノートPCにしかできないデザインや機能を持つモデル
もともとコスパの悪いゲーミングノートPC。ならコスト度外視でカッコいいもの買っちゃえという思想の選択がこちらです。
私はどちらかと言えばこちら派です。
完全に私の趣味というか、「私が大金持ちならこれが欲しい!」というゲーミングノートPCを紹介していきます。
Razer Bladeシリーズ
ゲーミングデバイスの2大巨頭「Razer」のゲーミングノートPCです。
最初見たとき、「なんじゃこのかっこいいノートPCは!」と衝撃を受け、値段を見て「何じゃこの値段は!」と卒倒した覚えがあります。
大金持ちになったら買いたいですね。何年後になるか不明ですが……
Razer Bladeは主にツクモで取り扱われているので、そちらを紹介します。
ROG Flow Z13
PCパーツ界のAppleこと「ASUS」(私がそう言っているだけ)のゲーミングノートPC……というかゲーミングタブレット?です。
言ってみたら「ゲーミングサーフェス」(マイクロソフトのアレです)のような製品ですが、サーフェスと違ってキーボードは同梱されているので安心です。
病的なデザイン性の高さ、そして病的な値段の高さも大きな特徴です。でもかっこいいもんはかっこいい……
2023年版はなんとRTX4000シリーズを搭載したということで、変態度に拍車が掛かっています。
こちら、現状ASUS公式でしか扱っていないようなのでそちらを紹介します。
RTX4090搭載ゲーミングノートPC
RTX4090搭載のゲーミングノートPCは関心のある方が多そうなので、別記事にまとめました。
コンパクトゲーミングPCという選択肢
デスクトップPCにも、色々なサイズのものがあります。
ゲーミングノートPCの代わりに、比較的小さなコンパクトゲーミングPCを購入するというのも選択肢の一つとして考慮して良いのではないでしょうか。
コンパクトゲーミングPCを扱うBTOパソコンショップはそれほど多くなく、品切れになっているものもあるかもしれません。
また、ケースサイズの関係からどうしてもグラボのグレードは落ちますが、デスクトップであることに変わりはないのでノートPCよりは遥かに高い性能を発揮できるでしょう。
私のおすすめはRTX3060搭載モデル。デスクトップゲーミングPCの選び方については別記事も参照ください。
マウスコンピューターのコンパクトゲーミングPC「G-Tune PG」
BTOパソコンショップの超大手で、国内生産にこだわる「マウスコンピューター」は、コンパクトゲーミングPCとして「G-Tune PG」シリーズを販売しています。
「G-Tune PG」に使われているPCケースの寸法は、横幅178mm、高さ285mm、奥行き395mm(光学ドライブなし)。高さは流石にどうしようもないですが、奥行きはほとんどノートPCの幅と変わりません。
マウスコンピューターのすごいところは、無料保証期間と電話サポートが3年あることです。通常のゲーミングPCは1年間の無料保証なので、これは破格と言えるでしょう。
パソコン工房のコンパクトゲーミングPC「LEVEL∞C-class」
BTOパソコンショップの老舗であり、極めてコスパの良いゲーミングPCを販売している「パソコン工房」は、コンパクトゲーミングPCとして「LEVEL∞C-class」を販売しています。
「LEVEL∞C-class」に使われているPCケースの寸法は、横幅178mm、高さ297mm、奥行き388mm。高さは流石にどうしようもないですが、奥行きはほとんどノートPCの幅と変わりません。
おわりに
ゲーミングノートPCはロマン枠です。ロマンを求める人、あるいは出張が多い、部屋が狭いなど止むを得ない事情がある人がコスト度外視で購入するものと言えるでしょう。
一般ゲーマーの場合には、コストパフォーマンスに優れたデスクトップPCをBTOパソコンショップで購入、あるいは自作することを勧めます。
しつこいようですが、ゲーミングデスクトップPCも検討しているという方はゲーミングデスクトップPCの選び方について解説した以下の記事もぜひご覧ください。
私はロマンを求めて「ROG Flow X13」を購入しましたが、結局あまり使っていません……しかし所有欲は満たされています。そういうことです。