東プレが販売している高級国産キーボード「RealForce」(リアフォ)シリーズのゲーミングモデル「R2A-JP4G-BK」をご紹介したいと思います。
購入してから一年ほど経った時点でのレビューになります(2022年8月時点)
結論から言うと、タイピング作業も行うゲーマーには強くおすすめします。単にゲーム用途で使いたい方は、財布と相談です。
ゲーミング用途でRealForceを買う人はあまりいないのではないでしょうか。私にとっては「憧れのリアフォ」で、購入したときは非常にテンションがあがり、ゲームをやる時間が増えました。これこそがゲーミングデバイスの魅力だと思います。
いきなり結論シリーズ!
- 唯一無二の打鍵感
- 他の高級ゲーミングキーボードでも売りにしている様々な機能と特徴
- タイピングには最高!ゲーミング用途は財布と相談
最終的なまとめだけを見たい方はこちら
リアルフォース(リアフォ)とは?
東プレ株式会社の販売している、国産高級キーボードです。「フェザータッチ」とも呼ばれる独特の打鍵感から、長時間のタイピングに向いているといわれます。
メンブレンキーボードやメカニカルキーボードとは異なる、「静電容量無接点方式」という他にあまりみない方式を採用しているのが特徴です。
ラインナップとしては、通常モデルと、今回レビューしているゲーミングモデル(RGB)があります。
また、それぞれのモデルに、JP配列とUS配列、フルキーボードとテンキーレスキーボードが用意されています。通常モデルとゲーミングモデルの違いはこちら。
なお、東プレはPCデバイス専門のメーカーではありません。自動車部品の製造等のBtoB(企業向けの取引)をメインとしている会社です。
ゲーミングモデルと通常モデルの違いって?
型番が「R2」で始まるモデルであれば、結論、RGBライティング機能があるかないかと、それに伴ってキーの刻印方法が2色成形かどうかだけです(通常のR2は昇華印刷)。
ただし、現行の通常モデル「R3」シリーズはキーボードの形が変更されているほか、無線モデルがあったりします。
リアフォはキーの荷重(押し込むときの重さ)が3種類あるんだけど、ゲーミングモデルの場合は一番重い45gしかないよ!なんでだろうね!
ゲーミングモデルの場合は選択肢がないのですが、他のモデルの場合キーの荷重(押したときの重さ)が違うモデルが販売されています。
45g、30g、変荷重に分かれていて、数字が小さい方が軽い力でタイピングできます。
変荷重というのは、タイピングに最適化するためにキーの位置で荷重を変えているモデルになります。
ゲーミング用途の場合変荷重だけは選んではいけません。もっとも使用するであろう「WASDキー」同士でも荷重が異なって違和感があるからです。
重ねて言いますが、Realforce RGBを購入する場合はそもそも荷重の選択肢が存在しないので気にしなくて大丈夫です。
RGBはなぜか荷重45gの選択肢しかありません。使用していて別段不都合はないですが、選べるならフェザータッチを存分に味わえる30gを買っていたと思います。
静電容量無接点方式って?
詳しい説明は公式サイトに譲るとして、とても簡単に言うと、「キーがセンサーへの接触無しに押されたことを認識できる」という機構です。
接触部分が少ないため、物理的な故障が発生しづらく、耐久性が高いとされています。
また、仕様上アクチュエーションポイントの変更が実現できたり、チャタリング(二重入力)が発生しなかったりします(後述)。
最近は、静電容量無接点方式ではないものの、類似した機能・特徴をもつゲーミングキーボードが人気を博しています(SteelSeriesのAPEX PROなど)。
リアフォは2001年から販売しているので、ある意味、時代の先を行っていたキーボードなのかもしれません。
マルセル北村が実際にREALFORCE RGBを使ってみた
REALFORCE RGBを使ってまず感じたのは、打鍵感が独特!赤軸っぽいですが、赤軸より「打った感じ」と反発が強い気がします。
これがリアルフォースのフェザータッチという奴なんでしょうか。
この独特の打鍵感は、キーボードを使用している際の疲労感に影響を与えます。短時間のタイピングやゲーミングだと恩恵を感じることは少ないかもしれませんが、長時間キーボードを使用していると明らかに指・手首の疲労度が違います。
信じられないかもしれませんが、他のメカニカルゲーミングキーボードと疲労度が本当に全然違うんです。これは……良いです!
なお、肝心のRGBについては専用のソフトを使用して設定します。キーごとに色を変えることもできるなど、かなり細かく設定できます(私は面倒くさがりなのでウェーブを設定しただけですが……)。
R2A-JP4G-BKの(というよりもリアフォの)メリット
- ゲームにも心地いい独特の打鍵感
- APC(アクチュエーションポイントチェンジャー)機能の搭載
- チャタリングが発生しない
ゲームにも心地いい独特の打鍵感
誉れ高きリアフォだけあって、打鍵感(打ち心地)は最高です。他のキーボードでこの感覚を味わったことはないです。
強いて言えば、cherryの赤軸に近いですが、赤軸よりも手応えを感じます。唯一無二です。
ゲームをしていても全く違和感がなく、非常に気持ちよくゲームできます。ハッピーです。
ゲーミング用途でももちろんですが、やはり長時間文章などをタイピングする際に、他のキーボードとは一味違う素晴らしい感覚を強く得られるでしょう。
例によって、好みは分かれるでしょう。特に青軸好きな人はぜんぜん違うので注意。私は購入前にちゃんと試し打ちをしました。ゲーミングデバイスは家具のようなもの。試し打ちは必須です!
APC機能の搭載
APC(アクチュエーションポイントチェンジャー)機能は、キーを押しこんだ時に、キーが押し込まれたと認識するポイント(アクチュエーションポイント、AP)を任意のタイミングで変更できる機能です。
特殊なソフト等を必要とせず、キーボード上のボタンひとつで変更できます。リアフォの現行モデル全てに搭載されています。
どれくらい押し込むと反応するのか、ということを変更できます。APを浅くするとキーが「入力された!」と認識されるまでの時間が短くなります。
例えば、タイピングに使用する際とゲームに使用する際でAPを変更するという使い方が想定できます。あるいは、反応速度が重要なゲームとそうでないゲームで使い分けるなどです。
最近はSteelSeriesの「APEX PRO」を筆頭に、APCのような機能を備えているゲーミングキーボードが増えてきているよ!それだけ「売り」になるポイントってことなんだと思うよ!
APEX PROとかは、静電容量無接点方式のリアフォとは別の技術でアクチュエーションポイントの変更を実現しているよ!値段はリアフォ並みに高いよ!
チャタリングが発生しない
これは静電容量無接点方式に由来するメリットですが、リアフォは、仕様上チャタリング(二重入力)が発生しません。
R2A-JP4G-BKのデメリット
- 高い
- 有線である
値段が高い
これに尽きます。リアフォは3万円程度します。3万円というのはキーボードの中では最も高い部類です。
1万円もだせば必要十分な機能を持ったゲーミングキーボードが入手できる中で、3万円をキーボード(しかも有線!)に出せる人というのは限られてくるでしょう。
もっとも、リアフォと同様の静電容量無接点方式である「HHKB(ハッピーハッキングキーボード)」や、静電容量無接点方式ではないものの、類似した機能を搭載するゲーミングキーボード「APEX PRO」なども30000円前後なので、これが適正価格だと言えるのかもしれません。
有線である
私はゲーミングデバイスに限らず、インターネット接続以外はなんでも無線派なのですが、リアフォのゲーミングモデルには2022年8月現在、有線のモデルしかありません。
もっとも、通常モデルでは2021年に無線版の「R3シリーズ」が発売されたので、今後無線のゲーミングモデルも発売されるのかもしれません。
とはいえ、マウスやヘッドセットは有線だと相当コードが邪魔なのですが、固定して使うキーボードの場合は有線でも実害は感じません。
まとめ~最強のタイピング用キーボードだが、ゲーミングにおいて「リアフォでなければならない」理由はない
一年間、リアルフォース「R2A-JP4G-BK」を使用して感じたこと。それは、リアフォは別格の打鍵感を持つキーボードだということです。
にも関わらず、リアフォは「どうだ?良い打鍵感だろう?」と強く主張してくる感じでもなく、静かに仕事をこなします。
恋人というより配偶者という感じです。
なので普段は意識しないのですが、ふと別のキーボードを使ってみると改めてリアフォの別格さに気づきます。
実際、一週間ほど別のキーボード(G913TKL)で記事を執筆してみたのですが、すぐにタイピングが辛くなってしまいました。間違いなくリアフォのタイピング感は別格です。
タイピング最強のリアフォですが、純粋なゲーミング目的の場合は値段がネックになります。もちろん、APCやチャタリングの無発生など、リアフォにゲーミングキーボードとしての優位点はあります。
とはいえ、他のキーボードにも類似機能があったりしますし、そもそもその機能が必須かというと私は別になくてもいいと思います。
特にAPCですが、「コンマ1秒を争うゲーミング環境ではアクチュエーションポイントを浅くするのは必須!」みたいな意見を見ることがありますが、私はそう思いません。気分の問題だと思います。
一般ゲーマーにそこまでの認識速度が要求されるとは思えないよ!
もっとも、アクチュエーションポイントが変更できることを売りにしているAPEX PROが大人気なので、確実に需要はあるのでしょう。機能で差別化された高級ゲーミングキーボードが欲しくなったとき、国産高級キーボードであるリアフォはその選択肢の中に十分入ると思います。
そもそも、純粋なゲーミング目的であれば、一万円程度の有線ゲーミングキーボードで十分ゲームを楽しむことができるというのが私の持論です。
しかし、あなたがゲーミングキーボードとしての機能を有する、タイピングに最適なキーボードが欲しい場合は十分検討の余地があります。
あとは当然、私のようにリアフォに憧れがある場合です。憧れは止められません。
なお、私自身は全く後悔していませんし、むしろ事前に思っていたよりタイピングポテンシャルが高いため大満足しています。用途が合致してお金を出せる方であれば、ゲーマーにもリアフォはおすすめです。
「ゲーミングデバイスは欲しいと思ったときが買い時」です。人間が何かを欲するとき、それは体が本能的にその何かを必要としているのです。ゲームを楽しんで楽しく生きていくためにも、(破産しない程度に)本能に身を任せましょう。
ちなみに……
リアルフォースはふるさと納税で手に入れることが可能です。かなり高額なのである程度年収の高い方でないと購入する意味がありませんが、一応ご紹介しておきます。