マルセル北村です。
新世代のCPUも大体出揃い、そろそろゲーミングPCを購入しようかと思っている方も多いのではないでしょうか。
当サイトで何度も触れているように、ゲーミングPCを選ぶ時はグラボから選ぶのがおすすめの方法です。
しかし、中にはこんな疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
ゲーミングPCのCPUはインテルとAMDのRyzenどっちがいいんだろう?
今回は、ゲーミングPCのCPUをインテルにするかAMDどっちにするか迷っている方に、実際にインテルのCPUもAMDのCPUも使用している私マルセル北村が、指標となる事実をお伝えしたいと思います。
なお、CPUの選び方全般については以下の記事をご覧ください。
インテル14世代とAMD7000番代の簡易な比較
まず、インテル14世代とAMD7000番代の、ゲーム性能に限った簡単な比較表をご覧ください。
インテル | AMD | |
ゲーム性能 | 安定 | 最強モデルがある |
価格 | 低め | 高め |
消費電力 | 高め | 低め |
コスパ | 高め | 普通 |
結論。好きな方を選べばいいが、こだわりがなければ今はインテルが有利
結論から言うと、絶対にインテルを選んだほうがいいとか、AMDを選んだほうがいいという差はありません。両方ともいいCPUです。
ただし、汎用的なゲーミングPCに搭載するCPUという観点においては、現状コスパに優れ、安定性が高いのはインテルと言えるでしょう。
CPUの値段自体もそうなのですが、対応マザーボードの価格差が結構大きいため、現状のコスパではインテル有利です。
しかし、私自身はメインPCではRyzenを、サブPCではインテルを使っています。何故でしょうか?
Ryzenの登場がインテルを変えた
少し歴史の話をさせてください。
実は、AMDがRyzenを発売する2017年まではCPUは完全にインテル一強でした。
ライバル不在のインテルのCPUは長年大きな進化をすることなく、細かい更新が繰り返されていました。しかし、それでもインテル一強は続いたのです。
インテルのCPUは、最大4コアのままという状況が約7年続いていました。
しかし、AMDが新CPU「Ryzen」を投入したことでインテル一強の空気が一変します。
これまでインテルが出し渋っていた(としか思えない)8コアのCPU(Ryzen 7 1700など)をいきなり投入し、さらにインテルを下回る価格設定を行うことで、絶対王者インテルに戦いを挑みました。
現在AMDのCPUは常識的な価格設定になってしまいましたが、Ryzenが出た時はスペックに比べて本当に安く、「コスパのRyzen」と呼ばれていたのです。
実際には初代Ryzenはまだまだ未完成と言っていい代物で、高いカタログスペックを十全に活かせていたとは言い難いのですが、確実にインテル一強を崩すだけのインパクトはありました。
その後、インテルも6コア、8コアとCPUのコア数を増やす方向にシフトしていったことが、インテルが危機感を持った何よりの証拠でしょう。
現在では、インテルの「13900K」が24コア、AMDの「7950x」が16コアと大きな進化を遂げています。
もちろん、単にコア数を増やせばいいというものでもないのですが。
保守のインテル、革新のAMD
……まあそんな歴史は現在の消費者からしたら関係ないことではあります。
しかし、現在もAMDはゲーミングに大きな恩恵がある「3D V-Cache」を導入したCPUを投入したり、新しいことに挑戦し続けています。
そんなAMDを応援したくなってしまう気持ちもあり、私はインテルのCPUを積んだゲーミングPCと、AMDのCPUを積んだゲーミングPCを持つことにしています。
最強ゲーミングCPUはAMDのRyzen3Dシリーズ
そういった状況なので、特段こだわりがなければインテルでもAMDでも欲しい方を買えばいいと思います。
しかし純粋なゲーミング性能だけを見た場合、最強になるのは「Ryzen3Dシリーズ」だと考えられることはお伝えしておきます。
というか、ゲーミングPCでRyzenを選ぶメリットが「Ryzen3Dシリーズ」の存在と言えます。
たまに「Ryzenはゲームに向かない」という方がいますが、それは昔のRyzenのイメージを引きずっています。
今は全く問題ありませんし、前述の「3D V-Cache」を積んだRYZEN3Dシリーズは同期のインテルよりゲーミング性能は高い上、消費電力はインテルより圧倒的に低いです。
なので、私はゲームをプレイするためだけに自作した本気のゲーミングPCには「Ryzen 7 7800X3D」を積んでいます。
さらに、AMDが優位な点として「マザーボードの寿命が長い」事が挙げられます。
インテルは2世代(およそ2年)で絶対にマザーボードのソケットを変更しているため、CPUを買い替えようと思うとマザーボードごと買い替えることになりがちです。
一方、AMDのソケット変更のスパンは比較的長く、例えば「AM4」は2017年の「Ryzen1000」から2022年の「Ryzen5000X3D」まで現役でした。
CPUのみを今後換装する可能性のある方なら、最終的にはAMDの方が得になる可能性もあります。
いずれにしても、どちらのCPUを選んでもゲーミングPCとしての性能に問題はありませんので、安心して好きな方を選べば良いと思います。
BTOゲーミングPCの購入を考えている方は、おすすめのBTOショップの解説を行なった以下の記事もご覧下さい。
インテルのCPU搭載のおすすめゲーミングPC
コスパに優れたインテルのCPUを搭載したゲーミングPCを紹介します。
私が最も万人におすすめできるグラボ、RTX4070SUPER搭載ゲーミングPC1つを紹介します。
他のモデルを見たい方、もっと詳しく知りたい方はRTX4070 SUPERの解説記事をご覧ください。
マウスコンピューターのゲーミングPC
CPU | Intel Core i7-14700F |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER |
メモリ | 32GB (DDR5-4800 16GB×2 / デュアルチャネル) |
ストレージ | 1TB SSD (NVMe接続) |
電源 | 750W BRONZE認証 |
国内生産が大きなウリのマウスコンピュータのゲーミングPCです。大手メーカーのため支払い方法が豊富、かつユーザーサポートに期待できるのがポイントです。
CPUクーラーは標準で240mmの簡易水冷、メモリは32GB。ケースも個性的でかっこいいです。
さらに、なんと3年間の無償保証と電話サポートがついています。他メーカーだと1年間が通常であり、ゲーミングPCとしては異例です。
総じてバランスがとれた、価格も手頃なゲーミングPCです。
同じ構成でホワイトになったモデルもあります。
さらに、同じ構成でCPUがゲーミング最強の「7800X3D」になったモデルもあります。
AMDのCPU搭載のおすすめゲーミングPC
今回は、高額ではありますがゲーミング最強の「3D V-Cache」を搭載したRyzen7800X3Dを採用したゲーミングPCを紹介します。
なぜ7950X3Dでないのか気になる方は以下の記事をご覧ください。
他のモデルも見たい方、もっと詳しく知りたい方はRTX4090の解説記事をご覧ください。
ツクモのBTOゲーミングPC
CPU | Ryzen 7 7800X3D |
GPU | GeForce RTX 4070 SUPER GDDR6X |
メモリ | 32GB (DDR5-4800、16GB×2) |
ストレージ | 1TB SSD (M.2/NVMe接続) |
電源 | 850W GOLD認証 |
パソコンショップの老舗、ツクモが販売するゲーミングPCです。
ミドル帯最高クラスのRTX4070SUPERに加え、ゲーミング最強のCPUであるRyzen7800X3Dを採用し、さらにメモリ32GB、SSD1TBを搭載しています。
CPUクーラーは空冷ですが、7800X3Dは発熱量が少ないので空冷でも行けます。が、不安であれば簡易水冷に変更すると良いでしょう。
さらに、従来のG-GEARと比べてPCケースが少しおしゃれになっています。
マウスコンピューターのゲーミングPC
CPU | Ryzen 7 7800X3D |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 1TB SSD (NVMe接続) |
電源 | 750W BRONZE認証 |
マウスコンピューターのWEB限定ブランド「NEXTGEAR」のゲーミングPCで、非常に見た目のいいゲーミングPCだと思います。
もちろんスペックも申し分なく、ゲーミング最強のCPUである「7800X3D」に「RTX4070 SUPER」、簡易水冷CPUクーラー標準搭載という鉄壁の布陣です。
ただし、メモリだけは32GBへの増量をおすすめします。
さらに、他のマウスコンピューター製品と同様に3年間の無償保証と電話サポートがついています。他メーカーだと1年間が通常であり、ゲーミングPCとしては異例です。
パソコン工房のゲーミングPC(RTX4090)
iiyama PC LEVEL-R7B6-LCR78D-XLX [RGB Build]
CPU | Ryzen 7 7800X3D |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 4090 / 24GB (GDDR6X) |
メモリ | 32GB (DDR5-4800、16GB×2) |
ストレージ | 1TB SSD (M.2規格 / NVMe接続) |
電源 | 1000W PLATINUM認証 |
国内外から評価される「iiyama」ブランドを持つパソコン工房は、他社と比べて価格が安く、極めてコスパのいいゲーミングPCを提供しています。
ゲーミング最強CPUの一角「Ryzen 7 7800X3D」を搭載し、同時にゲーミング最強GPU「RTX4090」を搭載する、まさに「ゲーミング最強」のゲーミングPCです。
メモリは32GB、ストレージはNVMeのSSD1TBが標準搭載です。
さらに240mmの簡易水冷CPUクーラーが標準です。実は、Ryzen7800X3Dは発熱量が少ないので240mmでも十分です。